だいごのじまん


台湾の玉山(旧、新高山、3952m)登頂


リニューワルした「排雲山荘」

 「台湾建国百年」を記念して、私の句碑「天空に一人佇み月朧」が2012年6月に国立高雄第一科技大学のキャンパスに設置された。2012年夏に同大学を訪問した後、東北アジア最高峰の玉山に登ろうと考えた。HPを見ると宿泊施設「排雲山荘」が改修中で今は登山できないと。  
 「2013年7月玉山登山ついに解禁。1日の入山制限も92人に拡大」
とのメールが秋に入った。外国人枠(10名)の日程は12月初旬で寒くなるので、11月中旬の一般枠で応募した。「11月18日(月)〜20日(水)2泊3日夜出発コースOK」との返事が日通ペリカントラベルネット台湾店から届いた。ツアー料金は一般(台湾人、360USドル=約4万円)の方が外人(630ドル)よりはるかに安い。日本の旅行社は3泊4日(航空運賃含む)で20万円である。私はJALマイレージを使い航空運賃は無料である。(燃料サーチャージとTAXは別納) 一般参加は台北駅に18:00集合なので、日本を早朝出発すれば十分間に合う。費用も安いので一石二鳥である。

 11月18日(月) MKタクシーで自宅を4:50amに出発し、関空に7:15到着した。自宅〜関空2H25分3,300円である。9:00搭乗し11:20(現地時間、時差―1時間)に台北桃園空港に到着した。空港から台北駅までバスで行く。快晴で26℃と暖かい。台北駅前で森永キャラメルを売っているおばあちゃんがいた。話をすると日本語で年金(月15,000円)だけでは食べていけず、駅前で一生懸命働いている姿が3年前「中華日報」に一面に紹介された。「今も森永キャラメルは台湾で製造されているよ」と、知人で祖父が社長の森永長壹郎先生に伝え、キャラメルをプレゼントした。宿舎の華華大飯店に着くと、京セラの台湾事務所長の三浦氏から「11月20日(水)10:00PMホテルに伺う」とのメッセージが入っていた。その2日前に都ホテルで行われた同志社中高同窓会で、教え子の京セラ社長山口悟郎氏に台湾に行くと言ったら早速連絡を入れてくれた。台湾銀行で両替したら、1万円=2,875台湾ドル(1台湾ドル=3.5円)であった。日本の銀行では1万円=2,325台湾ドルだったから、現地銀行の方が23%も有利であった。
 台湾総統府や和平祈念公園を散策しながら集合場所の古亭駅に着いた。18:00 台湾人ガイドTonyが来た。客は皆日本人であった。中国語ではなく英語で説明だったので助かった。高速道路を走り、約5時間後22:50東埔(とうほ)温泉帝倫ホテルに到着した。 プールの帽子を購入し温泉に浸かったが少し貧弱だった。

 11月19日(火) 6:00 起床、7:20 ホテルを出発した。8:00崖崩れの現場を通る。今なお後始末の作業をしていた。台風や強雨の時は通行不能になる。日本なら安心できるまで通行禁止になるところだが、台湾にとってはドル箱だから… 9:20排雲管理站(2,610m、18℃)でパスポート提示し、マイクロバスで玉山登山口の塔塔加鞍部まで行った。登山者は東京の月陵会のパーティ15人と雪山(3,886m)に登ってきた人、田島とガイドの合計18人である。


参加者全員日本人

 9:55登山口を出発し、モンロー断崖、前峰(3239m)登山口を経て12:40昼食をとる。すれ違う台湾人とジャイオー(頑張って)、加油(お疲れさん)、メイメイ(可愛い)と言葉を交えながら楽しく歩いた。現地に住む日本人は「上の方は時雨れて寒かったですよ」と。
 16:25 排雲山荘(3402m)に到着した。登山口から6時間半である。途中脚を攣った女性がいたがテーピングをしよく登った。6年前キリマンジャロ登山の時購入した靴底がパクパクと。耐用年数を超えていると言われ粘着剤で仮補修した。92名収容の新しい宿舎で設備は整い、日本人に合う料理(ご飯、味噌汁、豚料理など)が出され嬉しかった。台中に住む女学生にアルバムを見せたら国立高雄第一科技大学をよく知っていた。


玉山のポスターの前で現地のアルバイト学生と

 山荘で働くアルバイト学生たちと玉山の大きなポスターを背に写真を撮った。夕食時、ワインと酒、ビールをちゃんぽんで飲んだ。外気温は0.5℃と寒い。19:00寝袋に入り、アラームを2:20amにセットし寝た。しかし、いびきで目が覚めた。21時、23時、0時、1時…なかなか寝られず、ついに起床時間に。

 11月20日(水) 2:20起床。3:25出発した。40分程したら気分が悪くなり3回吐いた。酒ちゃんぽんと睡眠不足…。だんだん明るくなり岩場となった。ストックを置いて黙々と登り、6:03 ついに登頂した。


玉山(3,952m)登頂の田島

 ヤッター!歓声が沸いた。最後は苦しかったが登頂できた。富士山より200m程高いが高山病には悩まされなかった。昨年亡くなり登頂を楽しみにしていた仲間の写真を掲げ、「来たぞ!見えるか!」と泣きじゃくるリーダー。参加者の最高年齢は75歳で平均年齢は70歳だ。風が強く―3度と寒かった。


遺影を掲げ泣きじゃくるリーダー

 6:30 下山開始した。8:30排雲山荘に到着。展望台で小休憩。鳥が餌を求めて近寄ってきた。ガイドに聞くと、玉山登山は5月、7月、11月がベストシーズン(乾期)だと。13:15 登山口(駐車場)に到着した。東浦温泉で風呂に入り食事をとり18:00東浦温泉を出発した。時速110kmのスピードで高速を走り予定時間の22:00に台北駅に到着した。ありがとうみなさん!
  三浦恭志氏(京セラ台湾所長)がカラオケができる店に連れて行ってくれた。閉店時間まで玉山登山や台湾の話をし、ダンスやカラオケを楽しんだ。
 11月21日(木)9:30 台北から空港行きバスに乗る。20℃汗がぽたぽた落ちた。市内はバイ ク優先だ。60秒の信号の間にバイクが車の前に並び、信号が変わると一斉にバイクが飛び出す 。台北の名物風景だ。車はトヨタが多い。新婚さんの赤いリボンを付けた車パレードも。台湾ではバ イクが売れるなあと思った。私の乗るヤマハ125ccは日本製から台湾製になった。空港では日本ハムファイターズの陽岱鋼の大きなポスターが…。
 12:30 空港を出発。私の隣の台湾女性と話をした。毎年日本を訪れるのが楽しみで、今まで北海 道や東京などを訪れ、今年は大阪・神戸を訪れ有馬温泉にと。訪日外国人は台湾が2位である。 今回台湾を訪れて、物価が安いなあと思った。地下鉄が 30元(100円)。ガソリンも1L100円。 日本の売りは、温泉、和食、きめ細かな「おもてなし」かな。そして昨年、世界遺産に登録された富士山かな。日本に住む台湾留学生と富士登山バスで一緒になった。今まで日本百名山を1つも登っていないのに、最初に「富士登山」に挑んだのも世界遺産の威力かな。